
4月4日、今日は二十四節気の清明。
春分を過ぎ野山の命が一斉に芽吹き始めるこの時期、春のうららかな日差しを受け万物が明るく清らかである様子を表しています。「清浄明潔」を略して「清明」、いよいよアウトドアシーズンの幕開けです。
春の味覚と言えば皆さんは何を思い浮かべますか?私は山菜です。
私の住んでいる日光(川治温泉)ではたくさんの山菜が採れますが、最も多くの種類が採れるのはゴールデンウィーク~2週間程度です。




代表的なものは、タラの芽、コシアブラ、こごみ、セリ、わらび等が挙げられますが、他にもミヤマイラクサ(私の地域では「イラ」といい※1、東北では「アイコ」と呼ばれ親しまれております)や、モミジガサ(山菜名は「しどけ・しどき」)、ミズ(「みずな」とも呼ばれる)等も採れます。
これらはまだ時期的に早いので、雪解けとともに今の時期に最盛期を迎えるのが蕗の薹(フキノトウ)です。


特有の苦みと香りがあるので、天ぷらとして食べられることが多いかと思いますが、そんなにたくさんの量を食べられるわけではありませんので、私は毎年必ずフキ味噌を作ります。フキ味噌にしておけば、冷蔵庫で半年は保存できます※2し、何と言っても炊きたての白米にものすごく合うんです!

作り方は簡単で、まず採ってきたフキノトウをみじん切りにします。この時の注意ですが、まな板の上で包丁を使ってみじん切りすると、蕗から出る灰汁(アク)で白いまな板が黒く染まってしまい、洗剤で洗ってもなかなか落ちません。なので、フードプロセッサーを使うことをお勧めします!
次にみじん切りにしたフキノトウを少し多めの植物油(サラダ油など)で弱火でじっくり炒めます。※具材が油を吸うのと油との相性が良いので、少し多めがお勧めなのと、個人的には香り付けのためにごま油も混ぜて使います。炒めている間に、味噌・みりん・砂糖を混ぜて溶いておき、まんべんなく火が通ったところでそれを混ぜてさらに弱火でじっくりと味を馴染ませます。※調味料の分量は具材の量によって変わるため詳細はここでは言えませんが、個人的には甘めが好きなので砂糖は少し多めに入れています。


後は火を止めて少し冷ましておけば味が馴染んで美味しくなります!
フキ味噌は保存食なので好きな時に食べられるのが利点で、白米に合うということは前述しましたが、おにぎりにすればお弁当として持ち歩くことも可能です!
また、個人的にお勧めな使い方は、茹で上げたうどんにフキ味噌と卵黄を落としてかき混ぜて食べると、絶品「フキ味噌釜玉うどん」になります!これは盛岡のじゃじゃ麺からヒントを得た食べ方で、簡単でしかも美味しいという一品です!
さあ、これから山菜のシーズンが始まります!皆さんも身近にある山菜や野草で春の味覚を楽しみましょう♪

※1「イラ」の語源は、茎にある小さく細かいトゲが素手で触るとチクチクとして“イラっ”とすることから呼ばれたという説
※2 いつも半年で完食してしまうのであくまでも目安です。冷凍保存であればもっと長く保存可能でしょう。
坂内剛至(コロスケ)
次回エッセイは、4月20日の穀雨、ウッキーの登場です!