さあ、でかけよう!

5月21日 二十四節季の小満。「七十二候の楽しみ」(世界文化社)によると、「小満」とは、「秋にまいた麦の穂が実り、少しずつ満ちてきた」という意味で、農耕で生活を立てていた時代では、穀物の実りが確認できるこの時期、人々がようやくひと安心できた時期で、こう名付けたそうです。

「自然界のあらゆるものが次第に満ちてくる」という意味もあり、春に萌え始めた若芽がぐんぐん育ち、一段と色濃くなって花を咲かせたり、動物たちも活発に動き始めたり、自然界全体が生気にあふれる季節を表す言葉だそうです。

そんな季節、私もじっとしていられずハイキングに出かけてきました。

場所は茨城県北部奥久慈に位置する男体山(654m)、西面から南面にかけて岩壁が広がる堂々とした山容をもつ山に登ってきました。

緑あふれる里山の森を抜け、急峻な岩場を鎖を頼りに登り、稜線からの風景を見ながら、ゆっくりのんびり歩いた今シーズン初めての山旅は、久しぶりに私の感覚を目覚めさせてくれたように思います。

 まずは視覚。空の青、木々の緑のグラデーション、山桜の薄いピンク、山吹の黄色、ツツジの赤。様々な色を持つどこまでも続いているかのような遠くまで広がる雄大な風景は、自然もつ偉大さや不思議さや自分も自然の中で生きているという思いを抱かせてくれました。

 次は聴覚。鳥のさえずり(この声はたくさんの種類が聞こえてきましたが、かっこうの声しか分かりませんでした。残念)。こうした鳥の声は、命のつながり、みんな元気に生きているという生命力を感じさせてくれました。

また、吹き抜ける風が葉っぱを揺らす音(葉擦れとい言葉があるそうです)は、私の心を落ち着かせてくれました。反対に、風が木を揺らし、木と木が擦れ合う「ギーギー」「ギュッギュッ」という音は、少し自然の恐ろしさを感じました。

 そして触覚。この感覚は、触れるというより肌に触れる感覚といったほうがいいかもしれません。それは風です。この季節なら薫風と呼ばれる風です。稜線に出たとき、すぅーと吹き抜ける風。

これは言葉では伝えられない心地よさを与えてくれました。これは、きっと汗をかいたからこその心地良さではないかなと思います。それは、自分の力で動いてきた人だけが感じ取れるものかもしれません。自然のご褒美なのでしょう。

 最後は嗅覚。森を歩いているときに感じる木々の香り。スギ、ヒノキ、そのほかの木々の香り。大きく息を吸い込むと何かおいしいもので満たされた感じがし、心も体もリフレッシュさせてもらいました。

 小満。活気あふれる季節の始まり。そうなるとひとつの旅が終わると次の旅を考えたくなるもの、さあ次はどこに行こうかな、そんな思いがこみ上げる今日この頃です。

そうそう、五感のもう一つは味覚、これは、もう登山後の◯◯◯です。まれもまた、最高でした。

TWTAファシリテーター 山田 光

次回6月5日「芒種」は、まあちゃんの登場です。お楽しみに!

 

 

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